【新唐人2013年09月29日付ニュース】先日、中国最高人民法院と最高人民検察院がネットデマに関する司法解釈を発表しました。9月17日、初の適用例として、甘粛省張家川県で16歳の少年が地元警察に拘束されました。このことは大きな波紋を呼び、激怒したネットユーザーらが地元公安局長の贈賄証拠および抜擢した官僚78人の情報をネット上に暴露しました。アナリストは手柄を立てようとした地方官僚が、却って石を持ち上げて自分の足を打ってしまったと分析しています。
25日、政府系メディア“人民网”は論評を発表し、“張家川県が捕獲した1匹目のカニに一部法の執行者が口を刺されてしまった”とこの事件を喩え、ネットデマに関する司法解釈を地方の一部法の執行者が間違えて理解していると指摘しています。
中国の弁護士 唐荆陵さん
「これは責任逃れの言い方です。最高裁と最高検がまず、司法解釈というお『経』を間違えて読んだうえ、このような荒唐無稽な解釈をしたのです。司法権限を超えたうえ、国民の基本的な人権もひどく侵害しています」
最高裁判所と最高検察院が共同で発表したこの司法解釈は、9月10日から正式に発効。中で最も反発を招いているのが、“他人を誹謗中傷する書き込みが5000回以上閲覧され、500回以上転載された場合、最高3年の懲役刑が科される”という項目です。
14日、甘粛省の中学3年生・楊輝さんがミニブログにこんな内容を書き込みました。“12日の張家川の男性死亡事件にはきっと裏がある。警察が強制的に検死を行い、親族に暴行を加えた上、拘束した”。17日、地元警察はネット上でデマを流し、500回以上の転載があったため、“騒動挑発の罪”にあたるとし、少年の身柄を拘束しました。
北京の人権活動家 胡佳さん
「当局が持ち上げた刀はネット言論を禁ずる刀で、なんと16歳の未成年を最初に切ったのです。多くの大人の心の中には恐怖心があり、皆 危険を感じています。事件後、ネット上には殺気があふれていますが、子供に手を出すやり方は皆を激怒させています」
少年の拘束は多くの反発を招き、ネットユーザーらは地元官僚の一連のスキャンダル材料をネット上に暴きだしました。
先ず、地元公安局長白勇強。1995年から2005年までの間、ある汚職官僚に5万元、日本円でおよそ80万円の賄賂を贈ったことがネット上に公開されました。当の汚職官僚はすでに有罪判決を受けていますが、贈賄した白局長は何の処分も受けませんでした。9月23日深夜、地元当局は白勇強に対する停職処分を発表しました。
次に、張家川県は国家級の貧困県にもかかわらず、立派な行政センター広場と豪華な政府ビルを建てています。ネット上には政府ビル写真とともに、劉長江県委員会書記および彼が抜擢した78人の官僚の写真が暴露されました。やむなく、当局は劉長江に対して審査を行っていると発表しました。
北京の人権活動家 胡佳さん
「これら身の程知らずの地方官僚が上層部に手柄を見せるために、両最高機関の司法解釈を積極的な遂行していると、アピールしようとしたものの、返って石を持ち上げて、自分の足を打ってしまいました」
弁護士の唐荆陵さんは、中国のネットユーザーは今ますます覚醒し、統制が厳しい社会の中で人権を守るためにどうするべきかをよく知っていると称えます。
中国の弁護士 唐荆陵さん
「中国では法的訴訟の方法で、これらの人を守るのはとても難しいことです。今ネットユーザーらは攻撃をもって、防御する方法を採り、人権を迫害しようとするこれら官僚がやったことを徹底的に暴き出し、その罪状をネット上に晒すのです」
香港の“東方日報”は論評の中で、共産党の政界では官僚の9割が腐敗官僚で、ネットユーザーの“人肉捜索”に耐えられる官僚は何人もいないと指摘しています。このネット上の戦いを経て、当局は大敗し、同時に新たな闘いモデルが誕生したのです。つまり、今後どこかの地方政府がネットデマを理由にネットユーザーに手を下した場合、人々は人肉捜索の方法で官僚のスキャンダル材料を洗いざらい晒すということです。
北京の人権活動家 胡佳さん
「このように汚くて、職権乱用の政府はそのぼろをすぐ見抜かれてしまします。このことは全国の官僚に警鐘を鳴らしています。彼らに庶民のこの種の権利に挑戦するなら、彼らの結末も悲惨である事を知らしめています」
世論の圧力の下、9月24日地元当局は少年を釈放。しかし、同じようにネット上で発言した事で公共秩序を乱したとして拘束された地元の18歳の少年は未だ拘束されたままです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/09/26/a973296.html (中国語)
(翻訳/徳山 編集/佐藤・坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)